19681142120_5dc44bb797_z「人を動かす」ことに、簡単なマニュアルや法則がないのは、当然である。

なぜならば、「相手のレベル見て行う」のが基本だからだ。具体的に言えば、マネジメントは相手の精神的な成熟度を見ておこなわなければならない。

 

人が行動を起こす動機は、最も原始的な形態から始まる。すなわち、「快」か「不快」かによって、行動が決まる。嫌なことは決してやらない。

食べたい時に食べ、寝たい時に眠る。そうしたくない時には泣いて抵抗する。それが、赤子だ。

 

少し成長すると「不快」を少し受け入れて、より大きな「快」を得ることを覚える。要は、取引を憶えるのだ。

例えば、

「嫌な注射をがんばって受けたら、すきな映画を見ることができるよ」という言葉に子供は従う。

あるいは、

「きちんと片付けができたら、お母さんが遊んであげるよ」にも比較的従う。

 

これらは取引なので、自分が入手できるものに対して経験があるため、メリットが想像つきやすい。だから、子供は「メリットがある」と判断し、親、周囲の命令に従う。

 

余談だが、「にんじん」をぶら下げて社員を動かそうとする試みは忌避されることも多い。それは社員が「子供扱いされたくない」と思っているからだ。

 

 

ところが、子供が言うことを聞かないこともある。

「お部屋の片付けをしたら、お母さんが喜ぶよ」

または

「おもちゃを貸してあげたら、友達が喜ぶよ」

という言い方に関しては、子供の反応は薄い。

 

それは、よりレベルが高い要求だからだ。「おもちゃを貸してあげたら、親から褒められる」とは次元が違う。

なぜならば、他者の喜びを、自分の喜びとするように要求されているからだ。

「他社の喜びを、自分の喜びとする」のは、子供から大人への成長の証拠だ。

 

 

これがもう少し強化されると、親族や友達といった関係の濃い人達だけでなく、目の前の他者への親切心、思いやり、共感といった形に変化する。

「感謝されるかどうかはさておき、老人に席を譲ったほうが良い」

「とりあえず、道に迷っている人には道を教えてあげた方が良い」

そう考えるようになる。

「どれだけの人に親切にできるか」は精神的に成長しているかどうかのバロメーターとなる。

 

 

人はさらに成長すると、「世界の何処かの見知らぬ誰か」「明らかに見返りのない状況」に対しても、親切心を発揮できるようになる。

「財布を交番に届けたら、誰かが喜ぶ」

「これを作ると、(世界のどこかの)顧客が喜ぶ」

「自分がやらなければ誰もやらないので、引き受ける」

「誰も見ていないところでも、きちんとやることが重要」

そう考えるようになる。

これは「想像力」の発達と、「社会的な役割」についての認識を伴うため、更に成熟を必要とする。

 

 

会社において、経営者が「顧客のため」と本気で言っていたとしても、全くひびかない従業員も数多くいる。

それはまだ

「見返りのない親切を行う義務感」

「他者の喜びを自分のものとできる」

ような成熟した精神を持っていないからだ。だが、これは強要することはできない。「偽善」や「どうせカネのため」と見られてしまうのがオチである。

 

 

人が精神的な成熟に至るには、多くの時間がかかる。

マネジメントを行う側にも「精神的な成熟」が求められる。

 

【Books&Appsからのお知らせ】
著書が92万部を突破しても、会社の成果につながるとは限りません。著者個人の知名度と、会社の事業成果は同じように生まれるのか——安達裕哉が自身の出版経験をもとに語るウェビナーを開催します。


📌 このウェビナーでお伝えする内容

✓ ベストセラーの刊行によって、著者本人にどのような変化や機会が生まれたのか

✓ 著者個人の知名度や信用が、会社の認知・採用・問い合わせ・商談へどう波及したのか

✓ 商業出版と企業出版では、目的・読者・活用方法・成果指標がどう異なるのか

✓ ベストセラーを目指さなくても、本を営業・顧客教育・信用形成・採用に活用する方法

✓ 自社が本を持つなら、誰の、どの意思決定を動かすために、何を書くべきか

✓ 一冊の本を、Web記事、メルマガ、ウェビナー、営業活動へ展開する考え方

【対象】

BtoB企業の経営者・経営幹部・事業責任者/営業・マーケティング・広報・採用の責任者/自社の専門性や強みを顧客にうまく伝えられていない方/企業出版に関心はあるものの目的や費用対効果を判断できていない方

🎁 参加特典(お申込者全員)
梶田洋平氏の著書『1冊の本で売上をアップする!BtoB事業者のための企業出版戦略とケーススタディー』
+「企業出版・目的設計チェックシート」をプレゼント

セミナー名:92万部のベストセラーは、会社に何をもたらしたのか?
開催日時:2026年8月27日(木)11:00-12:00
配信形式:オンライン(Zoomウェビナー)
参加費:無料
共催:ティネクト株式会社、ラーニングス株式会社


お申込み・詳細
こちらのウェビナー詳細ページ をご覧ください。

(2026/8/3更新)

 

・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします))

・筆者Twitterアカウントhttps://twitter.com/Books_Apps

・大学・研究の楽しさを伝える、【大学探訪記】をはじめました。

【大学探訪記 Vol.22】コスプレの研究をする大学の先生がいた。

【大学探訪記 Vol.21】人間は、なぜ1種しか地球上に存在しないのか?という疑問に迫る。

【大学探訪記 Vol.20】地球に隕石が飛んできているからそれ調べてるんですけど何か?

・仕事の楽しさを伝える、【仕事のチカラ】をはじめました。

【仕事のチカラ Vol.7】月間170万PVのオウンドメディアを1年で作り上げた人はどんな人?

【仕事のチカラ Vol.6】27歳にして3社を渡り歩き、起業した人の話。

【仕事のチカラ Vol.5】データサイエンティストって、どんな人?どうやったらなれるの? という疑問に答えてもらいました。

・ブログが本になりました。

(Photo:Neil Moralee