「がんばれ」という言葉は、最もよく使われる言葉の一つではあるが、おそらく最も役に立たない励ましの言葉の一つでもある。
苦しんでいる人や悩んでいる人に「がんばれ」といったところで、彼らが頑張れるわけもなく、頑張っていない人にはスルーされ、頑張っている人にも的はずれだ。
だが実際には「頑張れ」は多用されている。言う側にとっては楽で都合のいい言葉だからだ。
例えば「もっと頑張ってみなさい」と言われたとする。言われた側は「具体的にはどう頑張ればいいですか?」と言うだろう。
だが、大抵の場合「がんばれ」と言った方に答えはないのだ。「がんばれ」は、成果が足りていないぞ、と言いたいだけの人のための言葉だ。
事実、「がんばれ」は子供の役にはたっていない。
親「もっと頑張れ」→子の生活力向上せず 調査結果発表(朝日新聞)
小4~小6では「よく『もっと頑張りなさい』と言う」など、保護者が叱咤激励(しったげきれい)する度合いが高くても、生活力に違いは見られなかった。
また、〜をやりなさい、と父母がいうことも、学力には何のメリットもない。
お手軽なものに効果はない(中室牧子 学力の経済学)
「勉強するように言う」のは親としても簡単なのですが、この声掛けの効果は低く、時には逆効果になります
統計的にも「頑張れ」という言葉は役立たずであることがわかる。
では、本来やらなくてはいけないのは何だろう。「がんばれ」と言うだけではなく、何をしなければいけないのか。
それは、 相手の意向を踏まえて
「一緒にやろう」
「手伝うよ」
「話を聴くよ」
ということ。
現状どうなっているかというヒアリングであり、何が正しいのか指針を与えるデータであり、「どうしてこうなったのか」という分析であり、実際に手を貸してあげることである。
「がんばれ」という人に心を痛める必要はない。所詮、その人は真剣に考えているわけではない。困っている人に必要なのは、言葉ではなく共感、行動、助力、具体的方法論だ。これは、誰もが知っていることである。
(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
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