(vol.30からの続き ※Airbnbって何?vol.1へ)
先日、実家に来たドイツ人からレビューが届きました。
特筆すべくは、REAL Japanのひとことです。
弟と相談し興味本位で(出すのはタダだし)九州の実家に出してみようって決めた時は、まあ、日本人のバイカーとかが来るかもね、もしかしたら中国、韓国の人かなって思ってました。
でも実際は この通りドイツ人が来ました。そして、とても満足して帰りました。実は他にも4件問い合わせが来て、2件は中国、1件は韓国、1件はイタリア人でした。(いづれも都合悪く断った。オレがブラック企業の営業部長だったら弟と親父に理由を問い詰めてる)
さて、何が言いたいかというと、自分たちの価値ってのは、自分たちが決めるもんじゃないってことです。
九州の田舎勝山に何がありますか?旅をしに来る価値がありますか?住んでいるいる人にとっては、何もないですよね。オレだって、高校時代まで住んでいて、何かあるって思ったことなかった。でも、それは田舎にかぎらず東京に住んでたって同じ。住んでいる人は、何事も日常になってしまい、わざわざ旅にって思う。
でも、いざ勝山離れると、平尾台の青竜窟にいく途中にある山口にはロマンがるし(オレは空中都市と呼んでいる)、実家の漬物を楽しみにしているし、裏の竹やぶの筍は実家で食うとうまい(送られてくると捨てる。オカンスマン)。
つまり、中の人はわからないけど、外からみるとそれに勝手に価値をつける人がいる。
Airbnbみたいなもので個人と世界が容易に繋がった場合、何でもないはずのものが、世界の誰かによって勝手に何かになっている。
そう、ドイツ人のREAL Japanに。
これこそ、インターネットがもたらした大革命じゃないかなって思います。
今日何気に手を伸ばして開いたアダチの付箋貼りまくりの明日を支配するもの P.F.ドラッカー 1999年発行にこんなこと書いてありました。
これまでも50年間、ITの中心はデータだった。データの収集、蓄積、送信、ディスプレーが中心だった。ITのT、すなわち技術を中心としていた。これからの情報革命は、ITのIすなわち情報に焦点を合わせたものとなる。それは情報の目的を問題にする。そこから、情報の助けによって行うべき仕事と、それらの仕事を行うべき組織のあり方が明らかになっていく。
今までは人間がやっていたことをコンピューターに置き換えていくってことの競争だったのが、これからは世界と繋がっているインターネットはあらゆるところに必ず存在していて、それらにどのように価値を持たせるかってことなんじゃないかなって思います。
それともうひとつ
Airbnbにとって、このレビューはお金、いやそれ以上の価値を持つものです。
なぜかというと、みなさんお気づきの通り、全く知らない人をいきなり泊めて(泊まって)大丈夫なのか?という疑問は拭いきれません。
でもホテルに泊まる時どうしますか?旅館ならどうしますか?民宿なら?
今なら大体インターネットで調べて予約しようとしますね。
で、その次何しますか?泊まろうと思ったホテル、どんなとこか調べますね。評価サイトみたり、掲示板だったり、人のブログだったり。
インターネット予約サイト(掲載されていれば決済とかがまあ安心)+口コミ(値段相応かとか諸々含めて)の両方を見て
それで最終的にどこに泊まるか決断します。
で、Airbnbはどうなっているかというと、
予約ページとレビューがはじめからセットです。
だから、レビューはものすごく重要です。いくら良い場所で安く出そうとも、レビューが悪ければ、安いってことはさらに価値を下げますし、レビューがよければ、逆に価値をあげますよね。
つまり宿泊先の価値は、場所や利用料だけでなくその評価によって大きく上下するってことです。
秀逸なのは、ホスト側だけでなくゲスト側のレビューもあることです。
(弟がインターネットを駆使して、わざわざシカゴに住む義兄に書いてもらいました。)
ホテル等既存の宿泊施設では考えられません。泊まる人を評価するなんて。
でも、これがまたゲストの価値を高めることになるし、何よりも次のホストの受け入れの判断材料になるわけですよね。
このレビューの仕組みはよくできていて、お互いのレビューを牽制しあったり、逆に一方が強制的にか書かせたりしないように、
宿泊後24時間後ではないと書けないですし、お互いのレビューが揃わないと相手のものは閲覧できない仕組みになっています。
で、こうなっていると、まず貸す側は、いろいろな努力しますね。部屋の詳細を正直に伝えたり、道順を詳しく教えたり、部屋を常にきれいにしたり、と。
そして泊まる側は、なるべく綺麗に、礼儀正しく使おうって思いますよね。普通の人ならば。(でもやはり悪い人はいるみたい)
で、そういうマインドの流れがあってAirbnbってブランドができていくんだなあって思います。
Airbnbはたぶんそこまで計算してやってると思います。
これが新しいサービス業のあり方かなって思います。
かっこよく言うと、いいマインドの流れをつくるっってことがこれからの新しいサービス業のあり方かなって思います。
何気にだした実家に、まさかのドイツ人3人組が来てしまって、当の本人たち(弟&その嫁さん&姪っ子そして親父&オカン)は戸惑いもあったようでしたが、
オレは、遠くはなれた東京で、冷静に分析しているのでした。
Thanks to Airbnb!
お客様は、リアルドイツ人だった。
Spacial thanks to 弟,その嫁さん,姪 , 親父&オカン!!!!!
(vol32へ続く)
(2025/7/14更新)
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。
<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは
【ご視聴方法】
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当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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いままでのAirbnb日記シリーズ
Airbnb日記 vol.16 〜カナダからジョンとその友人たち〜
Airbnb日記 vol.21 〜イギリスのエンジニアからのタイ人〜
Airbnb日記 vol.24 〜Airbnbパーティ@渋谷ヒカリエ〜
Airbnb日記 vol.26 〜オレの実家(ど田舎)にドイツ人きたわ 〜