某大企業に勤める20代のサラリーマンが「会社とは別に自らお金を生み出したいのです。」と言っていた。

「とにかくお金持ちになりたいんです。」というようなギラギラしたものではなく、むしろそうしなければ「将来が危ないんです」とでも言いたげだった。

日本でサラリーマンという職業が認識されはじめた大正から昭和初期の時代。当時はごく少数の大卒がなれる、いわゆるエリートの職業だった。

サラリーマンとは、毎月ほぼ確実にまとまったお金が入ってくるわけで、国に仕える官僚以外でそれは当時画期的な職業だった。

でも、どうやら最近は違うらしい。

 

日本はもう「普通の国」だから、安定した職場に居続けると、本当にマズいかも。

実際、20年前と比べて日本は確実に貧しくなっている。今の世界はGDPベースでは既に「アメリカ」「中国」「その他」だ。

日本は1億人以上の人口でかろうじて世界3位のGDPを保っているが、一人あたりのGDPは世界20位。すでにシンガポールや香港には負け、イタリアやスペイン、韓国と同列だ。「日本がすごい」時代は、もう遠い過去の話となった。

サラリーマンが安定した職業でなければ、サラリーマンである必要性はどこにある?

 

社員の「副業」に不満な社長の話。

「最近、社員から「副業を認めて下さい」という話がたくさん上がってくるんですよ。」とその経営者はいう。

それを聞いた一人の役員が、

「認めるんですか?」と聞くと

「認めたくないね。なんとかならないかね」と経営者が言う。

法律では、副業禁止は原則的にはできないことになっている。

 

「副業すると、本業の成績も上がる」と語る経営者の話

また、ある経営者は「副業させると、本業の成績も上がる」と言う。彼は理由を次のように述べた。

「まずですね、会社の外部の人脈を持っていない人間は、今ひとつ使えないですよ。社員にしたくないです。」

副業をして「自ら稼ぐ」ということを行ってみると、社長や経営者の気持ちが理解できるようになる。いや身に沁みてわかってくるという方が正しいかもしれない。経営とは、知識ではなく実践であるから。

 

副業禁止の会社って、ブラックですよね」と言う若手たち。

「だって、管理職のポストはどんどん減っていて、もっと言えば正社員も減っていて、で給料は上がらなくなっているわけでしょう。それで副業禁止、ってあり得なく無いですか。なんですか、滅私奉公しろってことですかね。」

若者はもうとっくに気付いている。

 

世界はノートPC片手に「ちょっとTOKYOのカフェで仕事してくる」時代に突入した

オーストラリアのエンジニア、スペインのカップルに共通するのは、特にビジネスのために来日したというわけではないということ。普段の仕事をリモートでやっているだけである。ただそのリモートの距離が遠いというか、国境は超えてしまっている。

これは本当に本当に起こっていることで、ごくわずかな人の話だとか、特別な能力を持っている人の話だとか思ってはいけない。現実にすぐ目の前で起こっている。ただし、その働き方を選択させてくるのはの「自らの意思」でしかない。なぜならば極めて新しいやり方だから、誰もアドバイスしてくれない。

 

会社はすぐに滅びるもの、という前提で働く。

何事も永遠ではない。人は死ぬし建物はいつか壊れる。国も、いわんや企業をや、である。企業の寿命は30年と言われるが、ほとんどの企業の寿命は人間よりはるかに短い。

100年、200年と生きながらえる企業も中には存在するが、企業は想像よりもずっと早く滅びることを前提として考えるのが自然であろう。

その時代に適応した会社がそこに存在しているだけであって、会社の目的は永く続くことではもちろんない。会社に拘らなくても、あなた自身が社会に役に立つ方法はいくらでもあり、それを探そう。それは「会社」で生き抜くよりももっと重要な能力となる。

 

サラリーマンは少額でもいいから、「副業」をしたほうが良い。そのたった一つの理由。

一見、「スマート・クリエイティブ」は敷居が高いが、実は「副業で稼ぐ人」とやっていることはあまり変わらない。作り、告知し、売る。それはとてもクリエイティブな活動だ。

Googleの提唱する「スマート・クリエイティブ」は、現在の働き方の矛盾点を解決する一つの「解」になっている。もしあなたが、「働くこと」で自らの人生を切り開こうとしているのならば、この新しい「働き方」に挑戦してみてもいいのではないだろうか。

 

最後に、ここでの話は「副」業なのである。「副」であるが故にそれは「本」業よりも、さらにあなたの意思次第であなたの目的にあったものを選べぶことができる。それは現在では本当に本当に自由なのである。

 

【安達が東京都主催のイベントに登壇します】

ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


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<2025年7月14日実施予定>

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借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

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・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる

3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

 

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